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現在、アパートローンの増加の背景として2015年の税制改正で相続税の課税対象が広がったことがあります。

つまり、これまで対象ではなかった人にも課税されるため、相続税を下げる目的でアパート経営に乗り出す人が増加しています。

たしかに、節税対策にはアパート経営は適していると思います。しかしながら、現実的には地方では人口減により空室率の増加のため、家賃収入よりローンの支払いが高くなってしまい、収支が赤字のオーナーがいる事例があります。

先日出張で大分に行ったときに、山の中にある築5年程度のアパートがありました。周辺に主だった施設は無く、バス停が3時間に1本。部屋数は1階2階を合わせて10室。しかし、ガスの開栓を見てみると、使用しているのは3部屋のみ。

10部屋中7部屋が空室の状態です。

例えば建築費3000万円とすると(1戸あたり300万)

(フルローン3000万 年利2パーセント 30年返済)

家賃 月額5万円×10室 50万円

-)空室率 70パーセント 35万円

-)運営費 10万 家賃の20%

(固定資産税、都市計画税、共用部分電気、

水道、清掃費、管理手数料など)

-)ローン 11万円

実質の収入 -6万円

収支が毎月-6万円持ち出しになり、

節税どころではない状況になります。

日銀の調査では融資全体に占めるアパートローンの比率は地銀で10パーセント弱、信用金庫では16パーセントとシェアを伸ばしています。その原因の一つと思われる衝撃的なデータがあります。

今年の3月の日銀が「物件所在地の需給環境の確認状況」を地銀、信用金庫に確認したデータです。

1「周辺物件の入居率」を確認していない。

地銀70パーセント、信用金庫68パーセント

2「周辺環境の家賃相場」を確認していない。

地銀63パーセント、信用金庫57パーセント

というデータがあります。

要するに、市場調査をしないで積極的にお金を貸している銀行等が多数あることがわかります。アパート経営が、悪いわけではありません。銀行や信用金庫また不動産業者の言われるままに投資せず、まずはエリアの収支を長期的に見通すことができる不動産コンサルタントにご相談ください。

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