生前に贈与するか、でも心配だから遺言書で残そうか悩んだら基本②

生前贈与と遺言書のメリット・デメリット

ご相談を受けるときに生前贈与をすればいいか、それとも遺言書を作成するかご相談を受けることがあります。まずはメリットとデメリットを確認してみましょう。

上記の生前贈与のデメリット対策としては「死因贈与」という方法があります。


死因贈与とは

贈与者の死亡を条件として財産が受贈者に渡る契約になります。

遺言による遺贈と似ていますが、贈与を受ける側との双方の合意が必要になります。

また贈与という名前付いていますが、相続税の対象になります。

死因贈与は相続税の税率なので贈与税の税率よりも低くなっているので、贈与するよりも有利です。

生前に受贈者に贈与しすぎてしまい、その後の長生きした場合の生活を心配する必要もなくなります。

また、死因贈与で契約する場合は生前に相続人に自身の介護など、何か自分の望むことを負担させることができるメリットもあります。「不動産をあげるから、私が亡くなるまで介護をしてね。」という契約(負担付死因贈与)もできます。

不動産の所有権仮登記も可能で、基本的には贈与者と受贈者との共同申請で行います。

贈与者の承諾がある場合は受贈者からの単独で申請することができます。

さらに、贈与の執行人を定めておくことで相続人等の承諾や印鑑を受領することなく、執行人の権限で仮登記から本登記へ手続することができ、所有権を確実に移転することができます。


死因贈与のデメリット

税負担が重い

遺言による遺贈と比べて税金負担が重くなります。

死因贈与で不動産を贈与する場合は、

登録免許税:遺言による遺贈の場合、固定資産税評価額の0.4%かかりますが、死因贈与では2%の税率計算になります。

不動産所得税:遺贈の場合では非課税、死因贈与では4%が課税されてしまいます。

書面がなくても成立、一方的な撤回は不可

死因贈与は書面が無い場合も成立します。しかし、死因贈与契約書がなければ贈与者の死後に他の相続人とトラブルになることがあるので、死因贈与を行う時には必ず書面を残しておくことが重要です。

また、双方の契約になるので、一方的に撤回することができません。

贈与と遺言による遺贈はそれぞれメリット、デメリットがあるので、よく考えてみる必要があります。

ご不明な時には当社も含めた相続のプロへご相談ください。

次回は贈与の方法のもう一つ「相続時精算課税制度」についてお伝えしたいと思います。

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