不動産投資の指標について 総潜在収入(2)
前回はキャッシュフローツリーの全体像について
お伝えしました。
今回はGPI(Gross Potential Income)についてです。
日本語では総潜在収入になります。
意味としては1年間満室で入った賃料のことです。
ここで注意していただきたいことがあります。
例えば、
築30年のワンルーム6室のアパートがあったとします。
(お部屋の間取りはすべて同じです。)
家賃は
101 65,000 円
102 65,000 円
103 65,000 円
201 70,000 円
202 70,000 円
203 90,000 円
でした。
ここ2年間で入退去が続き、1階は65,000 円
201,202 は70,000 円で現在入居しています。
しかし、203 号室だけは90,000 円と他のお部屋と比べ2万円も差があります。
理由としては、203 の入居者は建物ができた新築当時から入居しているため、新築当初の家賃のままになっているからです。
この時のGPIを65,000円×3室 +70,000円×2室 +90,000円=425,000円と計算したくなります。
ところが、キャッシュフローツリーは現在ではなく将来の収支を予測するため、203号室の退去した後の賃料70,000円にして収支計算をします。(新築当初の入居者が引っ越しする可能性もあるからです。)
家賃の引き直しをすると405,000円。これがこのアパートのGPI(総潜在収入)になります。
インターネットに掲載されている年間家賃はGPIで掲載されていないので注意が必要です。
例えば、家賃相場とは合わない物件を購入して、すぐに入居者が退去しまった場合、退去前と同様の家賃で募集しても決まらず、収支が合わなくなってしまいます。
解決方法は2点あります。
まず1つ目はその地域の家賃相場を調査すること。
地道な作業にはなりますが、近隣の不動産屋に聞き取りする。またスーモ、ホームズなどのポータルサイトで築年数、間取り、室内設備を絞って同家賃でも貸している物件があるか調べます。
もう1つ目は入居者のレントロール(入居日、属性、家賃滞納の有無など書かれた一覧表)の確認することです。こちらは管理をしている不動産業者に確認すれば教えてくれます。
次回は
空室損、未回収損、雑収入になります。
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