家賃滞納者へ管理会社としての3つの対応策!
先日IREMのセミナーでお世話になった司法書士の太田垣章子先生の著書「賃貸トラブルを防ぐ・解決する安心ガイド」を読みました。
この本は賃貸のトラブルあるあるの事例が多く掲載さえており参考になりました。当社でも意識してやっていることが3つ書かれていました。
目次
滞納者に寄り添う姿勢
まず1つ目は、「滞納する方に請求をするときには絶対に力で押さないこと」です。
そうすると逆効果になるということです。
「何かあったのではないかと心配している。」いうニュアンスで手紙、電話で伝えて相手方と連絡しやすい状況をつくる必要があると書かれており納得しました。
様々な事情がある滞納者に寄り添うことが解決の近道になるからです。
本書でも書いてある通り「滞納額の請求」を先にすると賃貸借の解約書や残置物放棄書に署名捺印をもらうことが難しくなり、裁判で明け渡し判決をとってから強制執行で残置物を撤去するしかなくなります。そうなると裁判の手続きが長引くことで再募集が遅くなりオーナー様の賃料収入が減ってしまいます。
早め早めの催促
2つ目「オーナー様は毎月支払い日には入金を確認して、入金が次の日も確認できなければ催促をしましょう。」と書かれていました。
確かにゆるく催促すると家賃の支払いを後回しにしてしまう滞納者もいるので、早め早めに催促することで回収率が高くなる実感はあります。
著者は「催促しても連絡がつかない」「家賃が3か月以上の滞納がある」の場合は法的手続きに移行したほうが良いと書かれていました。
連帯保証人や緊急連絡先との連携
3つ目連帯保証人や緊急連絡先にも協力してもらうところです。「緊急連絡先で家族を書かれる方が多くいらっしゃいます。法律的には何の責任もありませんが、家族であれば心情に訴えてトラブルが起こったときに協力をしてくれることが多くあります。」と書かれています。
確かに連帯保証人や緊急連絡先に「賃借人のためにも協力してください」という姿勢で交渉していくと良い結果が得られることが多くありました。
当社でも事件発生!
当社でもひとつ事件がありました。
普段はしっかり月末に入金をしてくれる入居者様でしたが、その当月になっても家賃が入りませんでした。
マンションに行って手紙を投函したり、電話をしてみましたが連絡はなし。
連帯保証人のお父さんにも連絡しましたが音信不通。お父さんの自宅は当社の近くにあったので、手紙を入れておきました。
すると連帯保証人と住んでいる入居者様の弟さんからご連絡がありました。
「兄さんは先月お部屋で亡くなりました。連帯保証人も最近亡くなっています。」とのこと。
入居者様の自宅に行ってみると、残置物が大量に置いてありました。また長年住んでいただいていたので、かなりリフォームは必要でした。
その後お話していき、弟さんが荷物の撤去やリフォーム代を一部負担してくれました。連帯保証人でもない弟さんは何の責任もありませんが、トラブルに対して協力をしてくれる事例でした。
対策としては当社としては入居者様とは定期的に会うことはできないので、更新の時に保証人の様子の確認すること。さらには連絡先や仕事が変更していないか確認することでしょうか。
この本を読んで改めて賃貸管理の奥深さを感じずにはいられませんでした。
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